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浜松張子
アトリエガングを始めるとき会いに行った二橋加代子さん。机の上には翌年の辰のころがしが並べられ「これからたくさん作らなきゃ、ちょうどいい小石を拾って来なきゃ」この「ころがし」は手で押してあげると中にオモリが入っていて、子供が飽きないように前後に揺れながらすすみます。このオモリが鉛板ではなく一つ一つサイズの異なる小石。いい感じの小石を外で拾ってくるのだそうです。 隣の部屋には夏だというのに火鉢がついていて張り子達が乾かされています。壁に一枚の写真がありました。虫眼鏡のようなメガネをかけて周囲を犬張り子達に埋め尽くされている一人のおばあちゃん、その人が今の浜松張子(戦後)を創始した二橋志乃さん。戦争で全て焼失してしまった浜松張り子を子供たちの遊ぶものがなくなっちゃうと、木型から新しく色鮮やかに復活させました。「いつもいつも同じ顔になるように描いているのにみんな違う表情になっちゃう」よく犬張り子達を眺めては言っていたそうです。受け継いだ二代目加代子さんは技法や作り方を一切教わらず、志乃さんの制作姿の記憶と残されたもの達だけが頼り。作り方は今でも自信がないと言っていましたが、志乃さんと加代子さんとの犬張り子を比べると、異なる表情が生まれていく構造ときめ細やかな気遣いがしっかりと受け継がれています。いまでは、加代子さんの娘さんがこれをしっかりと引き継いでいて、まさに一子相伝。
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