top of page
神戸須磨張り子
漫画家になりたかったという神戸須磨張り子職人の吉岡さん。張り子になる前に水彩画を描くことがあるようです。 猫もお相撲さんも須磨張り子の背中は真っ白なので、絵具をケチっているのではないかと疑われてしまうかも? けれども漫画を描くように、白い紙に水彩画で描かれたもの達が立体に変身するとこうなるのかもしれません。和紙で表張りをした中が空洞である本当の張り子は世の中からもうほとんどなくなってしまいました。明治時代には日常的に使われていた「和紙」が薄くてとても貼りやすいということで、吉岡さんは古本屋さんから当時の和紙の台帳などを仕入れてそれを使っています。張り子達はどれも一つ一つ全く異なる表情で、見た目も素材も誕生のプロセスも軽やかなユーモアを纏っているのが特徴的。 もう一つの特徴といえば、高松張子の作り手で人間国宝の宮内フサさんに何度も弟子入りを断られている吉岡さん。宮内さんの代表作「ほうこうさん」はピンクのアイラインが引かれていますが、吉岡さんの張り子たちのエメラルドグリーンのアイラインから、宮内さんへの尊敬の念が感じられます。
bottom of page